ヨルシカにハマった!今更聴いた「だから僕は音楽を辞めた」がかなり刺さった件

音楽

みなさんこんにちは!なすのつくだにです。

今回は少し前にリリースされたアルバムを聴いてみたらすごく良かったので、
感想を書きたいと思います!

だから僕は音楽をやめた / ヨルシカ

※今回は楽曲の解説というより、単に感想と自分語りを書きなぐった感じなのでご了承ください…

なんで今聴いたのか?

8/28に発売されるヨルシカのアルバム「エルマ」の先行リリースとして
「雨とカプチーノ」が配信されていたので聴いたのですが、
その時に「『エルマ』は前アルバム『だから僕は音楽を辞めた』の続編みたいだけど、
そういえばちゃんと聞いていないなー」と思って拝聴しました。

(それまでは、リードトラックの「だから僕は音楽を辞めた」しか聴いていませんでした)
それでアルバムを通しで聴いたら「めっちゃええやん!!!」となったので、
記事を書いている次第です。

ヨルシカについて

ヨルシカは2017年に結成し、2019年にメジャーデビューした2人組のグループです。
メンバーは

n-buna(ナブナ)
suis(スイ)

の2人で、
n-bunaさんが全楽曲の作詞作曲・編曲を、suisさんが全楽曲のボーカルを担当しています。
n-bunaさんはボーカロイドプロデューサーとして「ウミユリ海底譚」などの楽曲で注目された人物で、
suisさんをボーカルとして迎えて結成されたグループです。
楽曲の特徴としては、ギターの歪んだ音色が爽やかなギターポップと、
繊細なピアノの旋律が絡み合った楽曲が特徴的で、夏をイメージさせるサウンドが多い印象です。
また、文学的な歌詞も特徴的で、
それを昇華したのが今回紹介する「だから僕は音楽を辞めた」だと思います。

「だから僕は音楽を辞めた」について

次に、このアルバム全体についてに説明したいと思います。
まず「だから僕は音楽を辞めた」っていうタイトルが非常にセンセーショナルですよね。
目を引きます。
元々ヨルシカは文学的な歌詞が特徴的ですが、今回は物語として1つのアルバムを製作。
物語は

「エルマ」への純粋な想いから音楽の夢を追っていた主人公。
しかし「エルマ」と決別した主人公は、
忘れられない「エルマ」への想い、売れない現状や苦しい生活、才能に対する絶望から
描いていた夢は色褪せてしまい、
音楽からの決別を決意する

という挫折をテーマにしたストーリーです。

芸術に対する夢と挫折は結構普遍的なテーマですよね。
例えば小説だと国語の教科書にも使われている「山月記」
(詩人になろうとしたが挫折した役人が虎に変身した話)や、
最近の映画だと「ラ・ラ・ランド」
(こちらは夢を叶えましたが、恋は叶わなかったパターンですね)などがありますね。
音楽だと、少し古いですが中島みゆきの「ばいばいどくおぶざべい」
音楽に対する挫折を歌った歌ですね。

アルバムを聴いていると小説を読んでいる気分になります。
物語がしっかりしているので、
このアルバムをコンセプトにした映画とかできそうだなあとか思いました。
こういう物語風になっているアルバムを「コンセプト・アルバム」と言ったりするのですが、
こういうアルバムは他にあったりしますね。

American Idiot / Green Day
21世紀のブレイクダウン / Green Day
UNIRVANA / 堂島孝平

とかとか…

このアルバム、聴くとめっちゃしんどくなる

まず、この「音楽とエルマに対する挫折」をテーマにしたストーリーが個人的な経験も相まってめっちゃ刺さりました。
挫折って誰にでもある経験だと思うのですが、芸術に対する挫折って何か圧倒的ですよね。

大学時代の音楽に対する挫折(圧倒的自分語り)

ささやかですが、僕にも同じような経験がありました(ここから自分語りです、すみません…)

僕は大学時代から、サークルで趣味として音楽をしています。
最初は純粋に楽しい、好きだという気持ちで音楽を始めましたが、
段々「努力しても大会に出られない」「有名になれない」のような承認欲求が生まれてしまい、
次第にその承認欲求に純粋な気持ちが汚されていきました。
好きで始めた音楽なのに、音楽が嫌いになってしまったこともありました。
アマチュアとして趣味でやっていた僕ですら
「理想と現実の狭間で音楽が腐っていく」という経験をして辛かったので、
このアルバムに登場する主人公に共感するし、その挫折は測りしれません。

プロを目指すことの覚悟

また、僕は身近でプロを目指したものの挫折した人を何人も見てきたので、
その面でもこのアルバムの主人公の気持ちが気持ちが痛いほど刺さります。
夢を追っている人や挫折した人の話を聞くと、
自分の夢をいかに信じられるかというところに帰結する気がします。
誰よりも音楽が好きだという気持ちがないとプロにはなれないなと感じました。
そんな志を持っている人を尊敬するし敵わないと思いますね。
なんだか「ラ・ラ・ランド」の後半に歌われる「Audition(The Fools Who Dreams)」を思い出しました。

And here’s to the fools who dream
Crazy as they may seem
Here’s to the hearts that break
Here’s to the mess we make

-Emma Stone 「Audition(The Fools Who Dreams)」 より引用

この曲は夢を追う人に向けた応援歌なのですが、
夢を追って実現するためには、「他の人から見て狂っている」と思われるくらい
やっているを好きになり、信じる力が必要なのでしょう。

音楽の原動力に対する違いと主人公の悲劇

ただ、僕とこのアルバムの主人公とは少し違う点があります。
それは僕は音楽が好きだという想いと音楽に対する恩返しを原動力にしていたのに対し、
このアルバムの主人公は「エルマ」に対する想いを全ての原動力として音楽をしていた
という点です。
このアルバムの主人公は「エルマ」のために音楽を製作し、
「エルマ」を音楽として表現していました。

「君の指先の中にはたぶん神様が住んでいる」
「君の書く詩を ただ真似る日々を」

-ヨルシカ 「パレード」 作詞・作曲:n-bunaより引用

の歌詞などから、おそらく「エルマ」の書いた詩に音楽を付けていたと考えられます。
当初は「エルマ」さえいれば何もいらない、

「売れることこそがどうでも良かった」

-ヨルシカ 「だから僕は音楽を辞めた」 作詞・作曲:n-bunaより引用

主人公。
しかし、「エルマ」と決別した主人公は「自分の音楽」を製作することができなくなり、

「所詮売れないなら全部が無駄だ」

-ヨルシカ 「藍二乗」 作詞・作曲:n-bunaより引用

と考えるようになります。
その結果、音楽を辞めることを決意することになります。
主人公にとって、「エルマ」を音楽に対する原動力としていた部分が悲劇を生んだと僕は思います。
人に対する想いって強いんですけど、同時に変化してしまう脆さがあると思うんですよね。
僕は音楽そのものが好きだという想いがあったため、(夢ではありませんが)音楽を辞めていません。
音楽そのものに対する想いがあれば夢を追い続けることができたのかもしれませんが、
音楽と「エルマ」を同一視していた主人公はそれができなかったのだと感じました。

あと、音楽を辞めた心情を音楽に乗せているのが悲痛です。辛い…。

アルバムの構成も良い

このアルバム、独特な構成も主人公の悲痛な思いをより伝えることに成功していると感じます。
このアルバムは物語となっておりますが、時系列で並べている構成ではありません。
「8/31」から始まり、過去へ遡っていき、
最後に「だから僕は音楽を辞めた」で辞めることの心情を炸裂させている構成をとっております。
これによって、「物語を追っていく」という側面よりも、
「音楽を辞めることを決意した主人公の心情を追っていく」という側面が強くなり、
より主人公の絶望にフォーカスされるようになっているのではないかと感じました。
2回目は逆に聴くことで、最初に聴いた時と違う印象になるのも良いですね。

曲調も良い

曲調面でも、このアルバムは前述のヨルシカらしい特徴が活かされていて非常に良いと感じました。
全編に渡ってギターのさわやかなリフとピアノの繊細な旋律が絡み合う、
ギターポップ的な楽曲が多いですね。
そこにポップス的な透明感と浮遊感のあるsuisさんのボーカルが乗っかっていくスタイル。
これ自体は今までのヨルシカから続いているスタイルで、非常にヨルシカらしいと言えますね。

ただ、このアルバムではギターの歪んだ音とピアノの旋律の対比が
理想と現実の狭間で揺れる心情を表現しているように聞こえます。
特に細かいパッセージのピアノ(前半の曲に多く取り入れられています)に主人公の脆さを感じてしまいます。

おすすめ楽曲

本作は前述の通り、1つのアルバムで物語を語る「コンセプト・アルバム」なので、
初めは通しで聴いて、2回目に逆順に聴いていただくのが一番いいかなと思います。
なので、あくまで敢えておすすめ楽曲をあげるとするなら、という気持ちで読んでいただけると幸いです。

だから僕は音楽を辞めた

このアルバムのエンディングナンバーで、表題曲です。
音楽を辞めることの心情と、忘れられない「エルマ」への想いが炸裂したナンバーです。
ピアノの疾走感のあるパッセージに胸が締め付けられます。
ラスサビからのsuisさんのギリギリ感のあるボーカルも悲痛で素晴らしいです。

藍二乗

アルバムの2曲目で、疾走感のあるギターナンバー。
「藍二乗」はi (虚数)の二乗で、マイナスになってしまうことも示しています。
エルマがいないなら音楽なんか何もかも無駄なんだ、という絶望が示されています。
1曲目はインストなので、このアルバムで初めて聴くボーカル曲がこれなのですが、
曲順は時系列と逆になっているため、絶望度が高めなんですよね…笑
なので、初めて聴くと少し面食らいます笑

まとめ

まとめると以下のようになります!

・「だから僕は音楽を辞めた」は文学的なヨルシカの真骨頂
・挫折した人・夢を追っていた人にはかなり刺さる!
・次のアルバム「エルマ」もかなり楽しみ!

次のアルバム「エルマ」は「だから僕は音楽を辞めた」の続編となるアルバムになるようなので、
とても楽しみですね!

以上、ありがとうございました!